みとらの留学日記

アラ還女性のワクワクドキドキ短期留学日記

EXTRAⅡ

帰国後、朝の通勤電車で遅れが生じた。

「〇〇駅と✕✕駅の間の踏切で安全確認を行ったため、ただいま電車が10分ほど

 遅れております。お急ぎの所、ご迷惑をおかけして申し訳ございません」

そんな放送が何度も何度も繰り返された。

突発的なことが起きても、原因がわかると人は落ち着く。だけど・・・あれ?

こんなに何回も言っていたのだっけ?

その慇懃さに逆にイライラしてくる。悪くもない鉄道会社のせいのような気さえ

してくる。

 

日本はお客様至上主義だと今回も思った。チップも払わないのに、サービスは

丁寧できめ細やかで、どこまでも低姿勢。

でも、少し過剰なのでは?

バンクーバーでもロンドンでも労働者の権利が守られている印象を受けた。

公共交通機関もストであっさりストップすると聞いたし、駅員さんや公共施設の

職員などもずいぶん早い時間にいなくなってしまう。

あるとき駅の電光掲示板が消えていて、目的の電車がいつ来るのかさっぱり

判らないときがあったが、ホームにいた人の話を聞いていたら

「さあ、どうしてかはわからないが、来る電車の正面見りゃ行き先がわかるだろ」

みたいな会話をしていた。のんびりしたものである。

Tube の窓が汚くても、冷房が入らなくても、古いことを楽しむようにお菓子の

パッケージにイギリスの象徴として使ったりして愛しんでいる。

「古いから仕方ないよね」でおしまい!

 

日本のお客様重視の姿勢は企業努力にも繋がるわけで、多くの企業が商品開発、

サービス向上に懸命だ。そのおかげでハイクオリティの物が周りに溢れ

世界に胸を張れる文化を形成している。 何でもより良くしようとする日本の

研究者魂とでも呼べるような性質を誇りに思う。

でも。でももしかしたら、それが ”お客様” の傲慢を生みやしないか。失敗を過剰に

叩く狭量さに繋がらないか。そして、極度に失敗を恐れる行き過ぎた完璧主義を

生まないだろうか・・・

 

ひとつの事象には両面あるのだから、何がいいのかわからないけれど、そんな

ことを思ったりした。どちらが生きやすいのかなぁ・・・とか。