十二日目
夕食の時、クラスでのことを話すと
Mrs.W の目が輝き出すことが
よくあった
天職だったのだろう
自分はこんな教材を使って授業した
とか
生徒にこんな活動をさせた
とか
楽しそうに思い出を語った
でも子どもの病気や親の介護で
辞めざるを得なかったらしい
未だ先生体質が抜けないのか
私にも勉強のアドバイスを
生き生きとしてくれるのだ
私にとってはホームティーチャーが
いるようなものである
友だちのこと
遠くに住む子ども達のこと
高齢で一人暮らしのお母さんの
ことも話してくれた
ずいぶんリスニングの練習に
なったに違いない😄
身の回りの人たちに気を配りながら
二年前に始めたというゴルフも
楽しんでいるようだった
そんな彼女にはロンドン在住の
日本人の友だちもいて
この日の夕食に呼んでくれていた
例によってMr.不在の夜だったw
更にその夜、新しい留学生が加わった
フランスから来た彼女は
高校を卒業したばかり
まるで映画から抜け出したような
可愛くて聡明そうなお嬢さんだった
日本人のYさんは私と同い年だった
ちょっとしたサプライズのつもりも
あったのだろう
こんなところで同級生と日本語でも
話せるなんて 私にとっては
心安らぐひとときとなった
そのYさんへのサプライズもある
私は言わないと気持ち悪いので
「いただきます」と手を合わせてから
毎晩食事をしていたのだが
Mrs. がそれを覚えるべく
何日もかけて練習していたのだ
(なかなか覚えられないらしい)
それをYさんの前で披露するのが
彼女のもうひとつの企み
だから私は挨拶せずに彼女が
「いただきます」を言うまで待った
期待通りにYさんは驚いてくれたので
Mrs.Wも大満足
なんてチャーミングな女性だろう
彼女が腕をふるって作ってくれた
デザート付きのディナーで
四人の女子会となった
骨付きチキンと野菜をグリルしたものが
メインディッシュ

デザートはアプリコットを煮詰めたものに
クッキー生地をまぶし
温かいカスタードソースをかけて食べる
アプリコットクランブル(全て手作り)

自分は夢のような時間を
過ごしているのだなあ・・・と
その空間ごと抱きしめたいように感じた
時の流れが逆になるが
その日の午後はアクティビティがあり
本当なら70歳の女性が加わる予定だった
楽しみにしていたのだが会うことは無かった
Pによると直前にキャンセルしたらしい
彼女は語学留学に来たものの
慣れない環境、勉強、クラスメートなどで
疲れ切り、とても午後の活動はできない
と言ってきたそうだ
とってもよくわかる!
10年後の自分を想像したら
それがどんなにキツいことなのかは
容易に想像がつく
だからこそ 焦りを感じて
”今” 冒険に繰り出しているのだ
その方とも話してみたかったし
私たちと会うことが気分転換に
なったかもしれないことを思うと
ちょっと残念だった
じゃあ、アクティブにいこう!
となった私たちは tubeに乗って
カナリー・ワーフに出かけ
川の見えるパブで軽く一杯やって寛いだ
ロンドンといえばパブ、という気持ちも
あったから 体験できたのが嬉しかった



店が混み始める前の早い時間だったから
ディナーに響くことはなかった😋